Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
朝になると、正覚坊は沼へ帰ってゆきました。
それからは、毎晩平助の家へ正覚坊が遊びに来ました。二人で楽しく酒を飲みました。
ところが、元来正覚坊とあだなされてるくらいの平助と、本物の正覚坊とが一緒になったものですから、いくら酒があってもすぐになくなってしまいます。平助は無欲ですから、お金をためようなどとは思いませんでしたけれど、正覚坊と二人で充分に酒を飲めないのが残念でした。ことに漁が少ない時なんかは、少しばかりの酒を前にして、しおれ返ってしまいました。
平助が困ったように考え込んでるのを見て、ある晩、正覚坊は何と思ってか、そこにあった投網をしきりに引っ張ります。それを見て平助は、これは投網を打ちに行けというんだなと悟りました。
平助は正覚坊を連れて、投網で夜漁に出かけました。すると何しろ正覚坊が魚を追い廻して来てくれますので、そこの所へ投網を打つと、はいることはいること、またたくまに持ちきれないほど取れました。
そういうふうにして、平助と正覚坊とは、充分に酒を飲むことが出来ました。一晩漁に行けば、二三日分の酒代はわけなく稼げるのでした。
けれども、あまり酒を飲んだのがいけなかったのです。