Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
翌日になると、村の漁夫達は朝早く集まって、沼へ大きな網を入れました。大変重たいものがかかりました。そら正覚坊がかかったと言って、総掛りで、引き上げてみますと、大きな石ではありませんか。皆はがっかりしました。平助一人が心で喜びました。
ところが漁夫達の中に一人の物識りがいまして、そういう沼に住むくらいの正覚坊だから、きっと石に化けたのに違いない、と言い出しました。人々もなるほどと考えました。
そこで、その石を正覚坊になすのが問題となりました。酒をぶっかけたらいいかも知れない、と一人の男が言い出しました。早速酒を取り寄せて、石にぶっかけてみました。けれども、元々からの石ですから、酒をかけたくらいで正覚坊になりようわけはありません。
「なかなかしぶとい奴だ」とも一人の男が言いました。「この上は行者に祈ってもらおう」
一同はそれに賛成しました。幸いとその村の近くの町に、狐つきを落としたりなんかする行者がいました。それがすぐに呼ばれてやって参りました。
村中はお祭りのような騒ぎでした。御幣をこしらえるやら、色々な品物を供えるやらして、いざ御祈祷となると、村中の人が男も女も子供も集まって来ました。