Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
それかと言って、大変勤勉な村人達でしたから、まだ明るいうちに仕事をやめて夕飯をたべる気にもなれませんでした。
そしてなお不思議なことには、村で一番立派なごちそうをこしらえてる家に、そういうことが起こるのでした。うっかりごちそうもこしらえられませんでした。
一体何者がごちそうをさらってゆくんだろう? と村の人達は考えてみました。けれど、いくら考えてもわかりませんでした。何しろ姿も見えなければ音もしないんですもの、ただ不思議な怪物というより外、とうていわかりっこはありません。それでも村の人達は一生懸命になって、その正体を見届けようとしました。
するうちに、少しずついろんなことがわかってきました。大きな羽うちわを見たという者が出てきました。赤い高い鼻を見たという者が出てきました。緋の衣を見たという者が出てきました。何か人間の形をした大きなものが暗い空をふわりふわり飛んでいた、という者が出てきました。
「天狗だ!」と誰かが言い出しました。
なるほど、いろんなことを考え合わせると天狗に違いありません。きっと貪欲な天狗がやって来て、羽うちわであかりをあおぎ消して、人のこしらえたごちそうをさらって行ってるに違いありません。