Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
そんな小さな人間はまだ見たことも聞いたこともありませんので。けれども、王子は姿はやさしく心は美しい方でしたけれど、後に国王となられるほどの人でありますので、非常に強い勇気を持っていられました。それで落ち付いた声で、一尺法師にたずねられました。
「お前は何者だ?」
一尺法師は歌うようなちょうしで答えました。
「森の精じゃ。お城のうしろの、森の精じゃ」
王子は微笑んでまたきかれました。
「何しに来たのだ?」
「王子様をお迎えに」と一尺法師は答えました。「千草姫のお使いで、お城のうしろの森の中まで、まあずまずいらせられ」
そう言ったまま森の精は、向こうをむいて歩き出しました。王子は非常に喜ばれて、その後について行かれました。城の裏門の所まで参りますと、門がすうっと一人で開きました。森の精と王子とがそこを出ると、門はまた元の通り音もなく閉じてしまいました。
城のすぐうしろには、白樫の森と言われている大きな森がありました。森の精はその中にまっ直にはいってゆきました。王子も黙ってついて行かれました。ところが森の中程に来ると、ふいに森の精の姿が見えなくなりました。王子はびっくりしてあたりを見廻されますとすぐ前に森の中に広い空地が開けていまして、青々とした芝が一面に生えており、その中にいろいろな花が咲いていました。