Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
すると、思いがけなく、湖水の上で暴風雨にであいました。見る間に空はまっ黒な雲におおわれ、大粒の雨が降りだし、はげしい風が吹いてきて、湖水には大波が立ちました。顔丸の丸彦は水夫たちをさしずして、多くの船がはなればなれにならぬよう、ふとい綱でつなぎあわせ、岸の方へ進ませようとしましたが、あたりは夜のように暗く、ただ風と波にながされるばかりでした。そのうちに、岩ばかりの岬に吹きつけられ、船は二つにわれたり、ひっくりかえったりして、沈んでしまいました。みんなは船をすてて、岬に泳ぎつきましたが、けがした者も多くありました。
顔丸の丸彦は、さすがに、刀と鉄の鞭とを手からはなさず、水夫たちをよび集め、がたがたふるえてるのを励ましました。そして道をたずねあて、湖水のふちにそって、夜も昼も歩きとおして、家へ帰りつきました。
そして丸彦は、兄に今までの出来事をくわしく話してから、いいました。
「申しわけのために、私は死んでおわびをします、あとのことは、よろしくお願いします」
顔長の長彦は、だまって聞いていましたが、しずかに答えました。
「生きるも死ぬるも、まあ私にまかせておきなさい。