Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
夜なかに、観音様のお堂のあたりで、物の音がすることもありましたし、馬がにわかに動きまわることもありました。庭のあちこちに怪しい足跡がついていることもありました。
そして、ある夜、おそく、馬ごやの中で、馬がひどくあばれだしたようで、それからまた静かになりましたが、かねて気をつけていた顔丸の丸彦は、そっとおきあがって見まわりにいきました。
月が出ているはずでしたが、霧のふかい夜で、うす暗くぼうっとしていました。すかしてみると、馬ごやの前に、黒いみなりの男が立っていて、馬ごやの中をのぞいていました。
丸彦はかけよるが早いか、男の頭を、鉄づくりの鞭でぴしりと打ちつけ、男がちょっとよろめいて立ちなおるところを、こんどは、そのわき腹を足でけりあげました。男は気絶してばったり倒れました。
けれど、丸彦はもうその男にかまっておれませんでした。そのすぐむこうに観音様のお堂の前に、もひとり、大きな男がつっ立っているのです。
やはり黒いみなりで、ひげをぼうぼうとはやした大男でした。恐れるようすもなく、丸彦の方をじっとにらみつけていました。
丸彦も大男をじっとにらみつけました。