Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
けれど、いつしか風が出て、大通りをさっさっと吹き過ぎていました。それでも悪魔は、うまい料理に腹がいっぱいになって、紳士の頭にのっかったまま、ついうつらうつらと眠り始めました。
三
しばらくたって眼を開くと、そこもやはり賑やかな大通りで、ハイカラ洋服の紳士はステッキを打ち振りながら変なしかめ顔をして歩いていました。きっと腹が空いてるんだな、と思うと悪魔は、急におかしくなって、ははははと笑い出しました。がその声に自分でもびっくりして、首を縮こめるとたんに、何だか寒くなって、うつらうつらしてる間に風邪をひいたとみえ、大きなくしゃみが出てきました。
紳士は驚いて立ち止まりました。頭の上で笑い声がして、次にくしゃみの音がしたのです。まさか、悪魔の化けてる帽子をかぶってるとは思わないものですから、あたりを見廻したり空を仰いだりして、きょとんとした顔つきで考えました。
「変だな」
その時またさっと風が吹いてきました。悪魔はそれにま正面から吹きつけられて、くしゃんと、も一つくしゃみをしました。
「おや」
こんどは紳士も頭の帽子に気がついたとみえて、手をあげて帽子を取ろうとしました。