Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

街の少年

一

港というものは、遠く海上を旅する人々の休み場所、停車場というものは、陸上を往き来する人々の休み場所、どちらもにぎやかなものです。その港と停車場とがいっしょに集まると、さらににぎやかでおもしろいものです。

インドのある都会の、港と停車場をむすびつける広場でのことです。港には毎日、船がではいりします。停車場には毎時間、汽車がではいりします。そして広場には、しじゅう人通りがたえません。いろんな人が通ります。世界各国の人が通ります。

その広場のかたすみ、橄欖樹のこかげに、トニイは店をだしています。車のうえに板をわたしたやたい店で、絵はがき、絵本、絵いり雑誌、木や竹のおもちゃ、象牙の細工物など、いっぱいにならべています。そしてトニイは、そのやたい店のよこに、木の箱に腰かけて、本を読んでいます。

トニイは十五歳です。本を読むのがたいへんすきです。けれどその本はもう、絵本や絵いり雑誌ではありません。古本屋からむずかしい本をかりてきて、ひとりで勉強してるのです。

店の前に人がたちどまると、トニイは本をふせ、顔をあげて、にっこり笑います。その笑顔がたいへんかわいいので、たちどまった人は何か買ってくれます。