Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
ただ、全身まっ白なんですね。……ああ、来たんじゃありませんか」
私は小窓を見あげました。
「あんなずうずうしい奴はありませんね。おおさむこさむ……歌でもうたうような調子で、けれど声には少しもださずに、ただそういう顔つきで、小窓からとびこんでくるんですよ」
私は小窓を見あげました。外は雪がふりしきっていました。
「とびこんできて、挨拶もしなければおじぎもしないで、ひょいとそのへんの椅子の上にのっかるんです。そしてだまったまま、笑顔ひとつしないで、じっとしてるんです。あいつがはいってくると、部屋のなかがぞっと寒くなりますよ」
私はなんだか寒くなって、部屋のなかを見まわしました。
「こっちでじっと見ていてやると、そのままのこのこと部屋の隅っこにかくれたり、布団のなかにもぐりこんだりします。そしてあたりがしいんとしてきて、耳をすますと、まだ外には、仲間がいくたりも、十も百も千も、たくさんいるらしんです。はいってくるのは一人ですが、外にはおおぜい待ってるんです」
私は耳をすましました。雪のふる音がきこえていました。
「ゆだんしていると、はいりこんできた奴が、だんだん近よってきて、背中にぴったりくっついたり、どうかすると、襟の間から懐の中にとびこんできます。