Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
「このままほったらかしてもおけまい」
そう言って村の人達は、猿爺さんの居どころを探し始めました。けれどもなかなか見付かりませんでした。それにまた猿の方でも、風呂敷にいっぱい米と野菜とをもらっていったためか、それきり姿を見せませんでした。
「困ったものだな」と村人達は言いました。
そして、中一日おいた次の日の夕方です。村の若者が一人、やはり猿爺さんの居どころを探しあぐんで、村から半里ばかりある丘のふもとを通っていますと、どこからか、キンショキショキ、キンショキショキ……という気持ちのいい音が聞こえてきました。
「おや」
若者はびっくりして立ち止まりました。するとやはり、キンショキショキ、キンショキショキ……と、今まで聞いたこともない不思議な音が響いてきます。若者はその音に聞きとれて、ぼんやりその方へ進んでゆきますと、まあどうでしょう。
丘のふもとの、こんもりと杉の木が五六本茂ってるところに、美しい水がふつふつと湧き出しています。そしてその側で、赤い布と鈴とをつけた大きな猿が、桶でせっせと米をといでいます。その音が、キンショキショキ、キンショキショキ……と、不思議な音楽のように響いています。