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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

そして王子の言葉がいちいち当たるので、王様はじめ御殿中の者は皆、大変に驚きました。いつとはなく、「王子は神様の生まれ変わりだ」という評判が国中に広まりました。王様はどうして先のことを知ることが出来るのか、いろいろ王子にたずねられましたが、王子は千草姫から堅く口止めをされていましたので、何とも答えられませんでした。そして遂には王様まで、自分の子は神の生まれ変わりではないかと思われるようになりました。

けれど、王子にも、ただ一つ自分の思うようにならないことがありました。それは毎晩月を出すことが出来ないことでありました。月が輝いた晩でなければ、千草姫は迎えにきてくれませんでした。

宵に月が出る時は、いつも矢車草の森の精が御殿の庭まで迎えに来てくれました。王子は千草姫の所に行って、御殿の戸がしまる十時少し前に帰って来られました。

ところがある晩、いつものように白樫の森の中の芝地へ王子が行かれますと、千草姫は非常に悲しそうな顔をして立っていました。またその晩は、森の精さえ一つも出て来ませんでした。王子は何となく胸をどきどきさせながら、姫にたずねられました。