Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちょうじんニコラ

超人ニコラ/大金塊

江戸川 乱歩

Lesen Sie 超人ニコラ/大金塊 (ちょうじんニコラ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 175.219 Zeichen · 350 Bildschirme

Aozora Bunko

春の夜もふけて、ベッドのまくらもとの置き時計は、もう十時をすぎていました。不二夫君は、いつもならば、もうとっくにねむっている時刻なのに、今夜はどうしたわけか、みょうに寝つかれないのです。寒くもないのに、なんだか背中がぞくぞくするようで、さびしくて、こわくてしかたがないのです。六年生にもなっていて、こんなおくびょうなことではだめだと、いくら元気をだそうとしても、なぜかすぐに気がくじけて、びくびくしながら、窓の外の物音に、耳をすますというありさまです。

ベッドにはいるまえに、本を読んだのがいけなかったのです。それはおそろしい盗賊の出てくる、西洋の物語だったのですが、さし絵にあった盗賊のものすごい姿が、わすれようとしてもわすれられないのです。今にもそのおそろしい賊が、あの窓からしのびこんでくるのじゃないかしらと考えると、もうこわくてこわくてしかたがありません。

窓には厚い織り物のカーテンがしめきってあって、外を見ることはできませんが、そのカーテンのむこうのガラス窓の外は、広い庭になっていて、大きな木がこんもりとしげっているのです。もしかしたら、その木の下を、あやしげな黒い影が、しのび足で、こちらに近よっているのじゃないだろうか。