Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうじんニコラ
超人ニコラ/大金塊
江戸川 乱歩
Lesen Sie 超人ニコラ/大金塊 (ちょうじんニコラ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 175.219 Zeichen · 350 Bildschirme
「あ、そこにいるのは、だれだ。」
逃げるどころか、喜多村は、いきなり賊のほうへかけよったではありませんか。不二夫君が喜多村を気づかうように、喜多村のほうでも、ぼっちゃんの一大事とばかり、われをわすれてしまったのです。
「喜多村、いけない。」
不二夫君は思わずベッドをとびおりて、書生のうしろから、その手を取って、引きとめようとしました。
でも、喜多村は、もうむちゅうです。ピストルのつつ先も目にとまらぬかのように、カーテンのほうへつめよっていきました。喜多村は勇敢な青年でした。それに柔道初段の免状を持っているほどで、腕におぼえがあるのです。
「やい、返事をしないか。……さては、きさま、どろぼうだな。うぬ、逃がすものか。」
喜多村は、まるで土佐犬のような勇ましいかっこうで、まっかな顔をしてどなりながら、パッとカーテンに組みついていきました。
「あ、あぶない、賊がピストルを……。」
不二夫君は、今にもパンというピストルの音が聞こえ、喜多村が血を流してたおれやしないかと、息もできないほどでした。
ところが、ピストルの音ではなくて、バリバリというおそろしい音がしたかと思うと、おや、これはどうしたというのでしょう。