Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
そんな時には、必ず水戸家の男子一名を遣るがよい、と」
これはおもしろい。光圀の“大日本史”編纂の意図を窺う上からも、また尊氏観にも、示唆に富む話ではあるまいか。
当然、尊氏に討たれた楠木正成も話題にのぼる。
だが惇氏氏はただ「……正成って、やはりいい人だったでしょうなあ。少なくも正直な人ですよ」とだけ言った。そして先祖の尊氏についても、多くをいわず。「どうも歴史上、あんなにまで国家主義に利用された人物はない。それもいいが、こう敗戦日本となっちまッては……」と後を笑いに紛らした。
察するに、戦時中までは、ずいぶん“尊氏の子孫”という眼で、いやな思いもして来られたらしい。
学習院時代でも、歴史の時間は辛かったそうである。当時の院長は乃木希典大将だった。南北朝史が講義をされる前日などは、あらかじめ学校当局から「明日の講義には、君の先祖の事歴も出るが、ひがんではいけない」と、厳に誡められたりしたという。それでも、逆賊尊氏の名が出ると、同級の皇太子(現、陛下)から級友たちの眼が、みな自分を刺すように感じられたそうである。
忠臣蔵の吉良上野介も、祖先は足利家の支族である。