Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
その二
夜物語りの酒のあとで、時頼が土地の織物について訊ねたりしている。ここの機業史はそれほど古い。が今は、繊維工場の煙とつが、渡良瀬川をけむらせていた。
足利学校の訪う人もない庭梅と、宋版の国宝古書籍の真新しさなどは忘れがたい。昔、文盲の領民が、なにか読めない文字があると、紙キレに書いて、門前の小松に結いつけておき、翌朝を待つと、それにフリ仮名と解釈が付いていたという言い伝えのある“字降松”はホホ笑ましい。以て当時の学校なるものの在り方も、よく読める。
この学校は約千百年前の小野篁の創始だとか。ならば、日本最古の学校といってよかろう。これが明治七年には、現在国宝の蔵書ぐるみ二束三文で売りに出されたこともある。それを時の鍋島県令にせまって中止させたのは画家田崎草雲だったという。その草雲の旧居白石山房では木村市長などから興味ある話もきいたがただメモとして先を急ぐ。帰路を新田義貞の旧山河に向け、桐生、太田などを一巡して、夜おそく東京着。カゼ気味の杉本健吉氏には、ひどい目にあわせた日帰りの旅だった。(三三・三・三)
その二
読者諸子からいろんな寄与やお便りをいただいている。