Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
その十七
(三四・一〇・九)
その十七
どうもついごぶさたした。この「筆間茶話」にである。たまには茶話をと望まれながら、ここまでは息をつく気になれなかった。が、やっと「千早帖」もかわるので、久しぶり一ぷくする。
終日の机では、私はあまり物を喰べない。ただじつによく煙草をのみ、お茶をのむ。
煙草は半ぶん夢中ですうのだが日に六、七十本はくだらない。お茶は抹茶を朝二碗、ひる五、六たび、晩にも一碗。多年の習慣である。そのほか番茶、せん茶、応接間では客とコーヒー、紅茶も少しすする。茶淫煙癖、どうもこれは直らない。
お酒は弱くなった。というほども、元々飲めもしないくせに、あの酒景が好きなので会合やらパーティというと、ついハイボールを手にしたりしてしまう。また私は酒をふくむとすぐおしゃべりにもなるらしい。そしてくだらぬスピーチなどやってあとで大いに後悔するのだ。とくにゴルフというものを習んでから雑言を吐く傾向がつよくなった。ご存じの大岡昇平とか今日出海などというお人がこの悪たれと諧謔の大家なので、そんな中でちょいちょい揉まれるために、私の晩節もひどく粗野になってきたようだと、朱に交わる感化のいちじるしさに、われながらわれを憐れむことさえある。