Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
焼けた日光の“鳴き龍”でもあとのマツリがいわれているが、こんな物騒な「重文」扱いの例は、行く先々で見うけられた。
「江戸名所図会」にも載って、近江番場の一名所と蓮華寺が知られてきたのは、北条仲時以下の四百何十人がここで自刃した悲痛な史蹟だからであるが、その命日の五月十日に、何の供養や催しがあるとも、寺では言っていない。どうも、のんきなものである。また観光案内にも書いてない。そのくせ番場ノ忠太郎祭りだの土産物には例外でない客呼びの観光意欲はさかんらしい。――だのに赤穂義士に十倍する人命の歴史遺跡にたいしては、理解も痛惜もまったく薄い風である。お寺さんの観光便乗もよいが、寺自体その歴史特徴をよく生かさないことには宝物も史蹟も結局無意味だろう。
米原でおちあった大阪の学芸部長S氏や支局の人も加えて、一同車をつらね、三時半ごろ、峠をおりる。彦根市には入らず、南の山岳寄りの方へ二十キロほど走りぬく。――目的は甲良村の勝楽寺。つまり私たちが勝手に、
道誉寺
とよんでいる佐々木道誉のぼだい寺である。
臨済の一禅堂で、婆娑羅大名の道誉が晩年住んだ所だが、元より昔の宏大さはない。