Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
」
「なに、いってんの。」
「だって、おじさんにたのんであったのにさ。わたし、そういうふんいき、みたかったのよオ。」
「じゃあ、早く帰ればいいのに。」
早く帰ったところでそんなわけのものではないと知っていながらそういうと、
「あらあ、くやしい。早く帰ってたのよ。きょうはあぶれてずっと進くんとこにいたんだもん。」
わるびれもせずにいう浜子に、音枝の方があかくなった。いつかのやみ米問答のとききこえてきた押えたような女の笑い声、あれもやっぱり浜子だったのかと、いやな気がした。進君の部屋からならば、庭の方から出入りが出来るし、浜子はこれからもそうするだろうと思うと、そんな勘ぐりまでする自分に、音枝は悲しくなった。
しかし音枝は、そんな気持をせい一ぱいに押えて、
「ごはんは? 浜ちゃん。」
すると浜子の方は何かを感じでもしたようにわざとらしく、
「進くんとこでごちそうになったわ。――でもまずかった。うちのおかずなあに。」
あきれている音枝に、浜子はたたみかけて、
「一ぜん食べようかしら。おこうこでお茶づけがほしいの。例の、ある?」
それは、夜のおそい文吉や安江のかんたんな夜食のために用意しておく、かきもち入りののり茶のことだった。