Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
それが一種の楽しみにもなって音枝たちはおそいのも苦にしないのだが、きょうはちがう。浜子がまだ帰らないからだ。なんとかして、文吉の帰る前に浜子にもどってもらいたいのが安江と音枝の共通の願いだったのだが、浜子はなかなか姿をあらわさない。
「どこ、うろついてんだろ、ほんとに。」
そうはいっても十時までは映画でも見ているのかもしれないという一るのたのみがあったのだが、十一時すぎても帰ってこないとなると、安江のかんしゃくは不安の方へ移っていった。考えてみれば人にも語れないようなささいなことから招いた出来ごとなのだと思うと、安江の気持はめいった。
「あのときわたしが、あやまればよかったのかね。おとなげないことだよ、ほんとに。」
気弱くいう安江をなぐさめるように、音枝は、
「だって、ほんとにおかあさんをなんだと思ってるの。ひどいわよ。こんな心配かける権利ないわよ。」
「権利はないかもしれないがね、しかし心配する義務は私にしょわされてるからね。」
「…………」
「その義務者をかさにきて、少しいいすぎたのかもしれない。とにかく、まだ東京へ来て半月やそこらの娘を、とび出させる気持に追いこんだのはこっちなんだから、責任は感じるよ。