Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
もどってきてくれなかったら……」
くやしさともどかしさで、安江はのどがつまった。音枝もためいきをしながら、
「でもおかあさん、浜ちゃんて人は特別よ。しっかりものだから、あんがい心配ないかもしれない。」
「そんなことは結果を見てからいうことさ。――あーあ。まったく思うようにならないね。行ってもらいたい人はとうとうすわりこんでしまうし。――兵六さんどうしてる。」
「こたつでうたたねしてるの。おとうさん待つって。」
「寝床とってあげなさい。浜ちゃんのでいいよ。」
そうすることで安江は浜子に帰ってもらいたい希望をもとうとした。それにしてもと時計をみたとたんに、ガガーと遠慮ぶかくブザーが鳴った。一つである。浜子だと直感して安江は玄関へ走り出そうとしたが、浜子の気持を察して音枝とかわった。
どんな顔で迎えようかと音枝はちょっと戸迷った。笑顔ではかえっていけないと思い、少し渋い表情で構えることにした。玄関から門までは十五メートルほど離れている。その石畳の道を浜子の足音はなかなか近づこうとしない。音枝はふっと気がついて土間におり、さっと戸をあけた。とたんに柳の枝に目をはじかれ、あっと叫んでかた手で目をおおいながら、やみの中へ声をかけた。