Japanische Klassiker mit Furigana
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme
聡明な登山者よ、どうか俺たちなども、いたずらに弄り物にしたり、金もうけの種にしたり、焚物に重宝がったりする段でなく、もっと高い精神的な面で、われわれへの理解と共感を深めて欲しい。そしてその純粋性を尊重してほしい。いやもちろんこれは、俺たち草木だけの事ではない。この天外の清浄国土を形ち造る、すべての物象に通じての話だ。――見給え、御身たちが、真に心を清浄にして、それらの物象に接する時、そこにどういう感応が湧き起るか……。
それら自然と人間とが、お互に敬愛の念で結ばれることになったなら、初めてそこに、大きな生命の交流が行われ、それこそ完全な楽園が、この地上の一角に現出して、ひいてはどんなに、自他の幸福と向上をもたらすことであろうか。さもなかったら……ああ、それもこれも、かかって人間の心がけ一つにある。造化の意図も、また恐らくそこに……あッいけない――秋風だ! 急に身にしみて来たぞ。そうか……俺はほんとうにどうかしている、もう、こんな柄にもない、さかしら口は措きにして、さア! 仕事に精を出さなくては……。
〔附記〕――この一篇は、事後その画家が感受した、老偃松の問わず語りを、自らまとめて飜訳したものである。