Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

よく聞きただしてみると、やはりそれは乗鞍のではなく、ここからよく見える、別の新しい爺さんのことだとわかった。御岳の時の予感も、こうまで当ろうとは。

白馬大日岳の種蒔き爺さんの挿図

ああ又初対面の爺さん――労せずして又私はこの光栄を授かったか……雲の晴れ間を待つ私の胸は高く鳴って、初めて会う今度の爺さんはどんな姿をしているだろう? 雲の奥にいろいろ想像を馳せていると、待つ間も決して長くは感ぜず、むしろそれを楽しむ気もちだ……。やがておかみさんが指さしたのは、「代馬」よりズッと北東に離れた、連峯の一突点の大日岳であった。その右寄りの斜面に、頭を稜線に触れそうにして、このはにかみやのお爺さんはひそやかに立っていた。もはや大分形が崩れたと、おかみさんは言うが、なるほどとうなずけるだけには、まだ充分残っているように見えた。よくもこんなに、と思うほど前の三人と似ていながら、又いちじるしい個性をこの爺さんは持っていた。それは坊主頭で、笠をかぶっていないらしいことだ。初めから笠は無いのかどうか、おかみさんに聞いてみたら、ちょっと考えて、――無いようだとの答えだった。