Japanische Klassiker mit Furigana
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme
その真只中を割って落ちる氷雪は、まったく流動するかと思われる。盛り上って中高に膨らむよと見れば、搾れるごとくドッとなだれ落ち、ひと溜りして渦を巻くと思う間もなく、また溢れて、一挙に落下する。その間には、支谷が左右から合流して、流れと流れがいがみ合い、綯いまざり、全体が堅いながらに、婉曲すること蛇体に変らず、自由な、微妙な、実に自然な、美しいうねり方をしている。その冷徹にして厳刻なる氷雪の大音楽!厚さ数丈、長さ半里にあまる万年雪の凝晶体は、その表面に刻まれた、錯綜してしかも紛乱を来たさぬ、霊的線条を機縁として、忽然、無辺際空に轟き渡る一大楽曲に化成する……
それも日光がひとたび直射するにおよんでは、暗く惨ましい岩の肌さえ、怪しく照りはえ、氷雪は一斉に白熱の痛光を放って、おもてを向くべくもない。これら万年雪から成る雪渓の、その先祖は恐らく氷河であろう。それが「窓」の製作者であり、山体の烈しい彫刻は、彼らが独特の家業であって、流動のさがもまた、今は動かぬこの万年雪の血脈の中に、なお潜み伝わっているにちがいない。
またひるがえって、一方の雪渓を登れば、その中途に「鉱山」