Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

竹中はその一つ一つを取って、炉の火に向けて長方形の各角度を、ためつすがめつ眺めていた。

「なにか特別な炭を焼いている、というのはその炭ですか」

「そうです、特別というほど大げさな物でもないが」と竹中は持っている炭を裏返しながら云った、「――東京や京都の大学で、化学や医学の実験に使うんだそうです、なにかの濾過や炭素の分解などに使うらしい、よくはわからないが、それで焼きかげんにちょっとくふうがあるんだな、朴の木がいちばんいいらしい、ぼくは朴の木だけを使ってるんですがね」

「ぼくにはなんにもわかりませんが、そういう意義のある仕事があるのに、どうしてブラジルへなんかいらっしゃるんですか」

竹中啓吉は炭を渋紙に包みながら、きみはキリスト教の終末観ということを知っているかね、と反問した。

「ええ」と隆二は頷いた、「ただ素読みをしただけですが」

「広島と長崎に原爆が投じられた」と竹中は低い声で云った、「七年まえには、エニウェトックで水素爆弾の実験が成功した、続いてソビエット・ユニオンでも水爆を完成した、きみも知っているだろうが、水爆を二十個も投下すれば、この地球は太陽になって全生物はほろびてしまう、――キリスト教に予告されている終末観、この世界のほろびてしまう時期が刻々と、眼の前に迫っているんだ、きみはそうは思いませんか」