Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちょうふじん

お蝶夫人

三浦 環

Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

仏様か観音様のようであった。私はロシアで唱うた時に、レニンの墓をモスクワで見たことがあるが、雪中の大理石の家に、ガラスの寝棺に永眠していた。レニンの顔は白く蝋人形のように光っていたが、我が母も同じように光った死顔で、私は世界中の人に母の死顔を拝ませて恥かしくないと思うた。私は私の大事な大事な母を自ら五ヶ月間の看護を続け、安らかに送ることの出来たのを嬉しく思う。

それに戦時故、蝋燭、白木綿など手に入らぬにも拘わらず、ちょうど井上様がお国からこれらのものを持って来て下さったし、長谷川さんが何も知らずにお供餅と林檎など持って来られたので、これもお棺に入れることが出来た。江藤幸子さんはいなかったけれど、江藤さんの縫われた赤縮緬のチャンチャンコは、母の永久の旅の衣裳となったのだ。

母は安政五年三月六日に、静岡県小笠郡六郷村字小澤の永田家に生まれた。家は裕福で母の父は寺子屋をして子達に教えた。

母は色白く、顔の血色美しく、生き生きとした目とすなおに高い鼻と、厚からず薄からぬ唇を持って、頭髪は自然の波を持っていた。身丈は高くないけれど低く過ぎもしなかった。幼少の時から男になりたいと思うて、十五歳までチョン髷という男の髪の結い方をしていたとのこと、十七歳の時同じ小笠郡朝日奈村の柴田熊太郎(私の父で後に孟再と改名)に嫁し