Japanische Klassiker mit Furigana
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme
と「ホエン・ボーイズ・カムス・ホーム」とをうたいました。すると大統領始め陸海軍の大将連から兵隊さんまで大変な喜び方で、私は兵隊たちにグランドピアノの上にかつぎあげられて、握手攻めに逢いました。三千人の人々が感謝の心を籠めて私の手をぎゅっと握るのです。それで親指のあたるところにはアザが出来てしまいました。嬉しい嬉しいこの思い出のアザはいつまでも消えずに残っていましたが、奇妙なもので今度の戦争が始まる前に消えてしまいました。その時は何とも思いませんでしたが戦争に敗けた今考え出しますと、妙に悲しい気がしてなりません。
この凱旋のお祝いの時、石井大使も演説をされましたが、数日後石井さんにお目にかかった時に
「環さんの声はたいしたものだね」
「へえ、どうしてですか」
「だって環さんが歌をうたい出したら、広場のまわりの窓という窓がみんな開いて、人々が顔を出して聴いて、盛んな拍手を贈ったのに、私の演説の時は窓もあかなければ、誰も手を叩きもしない。環さんの歌はたいしたものだ」
私はこのお話を伺ってお気の毒になりました。その上石井さんはマイクロホンをお使いになったのに拘わらず、声をからしてしまい、翌日は疲れて一日お休みになったそうですが、外交官は滅多に野外演説なぞされたことがないからそれも無理からぬことと思います。