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Japanische Klassiker mit Furigana

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かげろうのにっき

かげろうの日記

堀 辰雄

Lesen Sie かげろうの日記 (かげろうのにっき) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.890 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

そんな事を私が言っていたのを聞いた人々がもしいまの私を見たら、こうして明け方から日の暮れまで倦ゆまずにお勤しているのを、まあ、どんなに笑止に思うことだろう。こうまで果敢ない人生をどうしてあんなに気強い事が言えたのかと、いまさらながら昔の自分のそんな無信仰が悔やまれてならないのだった。

そうやって二十日ばかりお勤をしつづけている間に、私は夜分になると何だか苦しいような夢ばかり見せられていたが、或晩などは、私はそんな夢の中で、腹のなかを這いまわっている一匹の蛇のために肝を食べられていた。――あんまり恐ろしかったので思わず目を覚ましたが、それからまた私がうとうととしかけると、また夢でもって、それを癒すには顔に水を注ぐが好いと、何人とも知れずに教えてくれた。

そんな夢の吉凶などは自分にはわからないけれど、こうやって此処に記して置くのは、このような私の身の果てを見聞くだろう人が、夢とか仏などは果して信ずべきか否か、それによって決めるがよいとも思うからである。

五月になってから、私は物忌も果てたので、自分の家へ帰った。私の留守の間、すっかり打棄らかしてあったので、草も木も茂るがままに茂っていたところへ、程もなく長雨になってしまったものだから、前よりも私の家は一そう鬱陶しい位であった。