Japanische Klassiker mit Furigana
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かげろうのにっき
かげろうの日記
堀 辰雄
Lesen Sie かげろうの日記 (かげろうのにっき) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.890 Zeichen · 60 Bildschirme
死後に、日頃こうして自分の傍を離れずに長精進なども共にして頼もしげに見える此道綱が、他には力にすべき人も居ないのでさぞ世間にも出にくいだろう、それにこうして精進している自分と同じような粗末な物をばかり食べさせているので、この頃はよく喉にも通らぬらしいのを見るのが自分には辛くてしようがない。――そんな事を考え続けながら、こんな思いを自分もし又子供にまでさせて漸っとこうして自分が気安くしているのかと思うと、遂にはその気安さそのものさえ自分を苦しめ出してくるのだった。ああ、私は一体どうしたらよいのであろうか。……
夕暮の入相の音、蜩のこえ、それからそれにつれて周囲の小寺から次ぎ次ぎに打ち鳴らされる小さな鐘などをぼんやり聞いていると、何んともかとも言いようのない気もちがされて来るのだった。
身の穢れている間は、一日中、何もすることがないので、端近くに出ては、私はそうやってしまいには自分を言いようもなく苦しめ出すのが知れ切っているような物思いばかりをしていたのだったが、或夕方も私がそんな端近くでいつまでもぼんやりしていると、後ろから道綱が気づかわしそうに「もうおはいりになりませんか」