Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
二十五
私は彼と喧嘩をする事は恐れてはいませんでしたけれども、私が孤独の感に堪えなかった自分の境遇を顧みると、親友の彼を、同じ孤独の境遇に置くのは、私に取って忍びない事でした。一歩進んで、より孤独な境遇に突き落すのはなお厭でした。それで私は彼が宅へ引き移ってからも、当分の間は批評がましい批評を彼の上に加えずにいました。ただ穏やかに周囲の彼に及ぼす結果を見る事にしたのです。
二十五
「私は蔭へ廻って、奥さんとお嬢さんに、なるべくKと話をするように頼みました。私は彼のこれまで通って来た無言生活が彼に祟っているのだろうと信じたからです。使わない鉄が腐るように、彼の心には錆が出ていたとしか、私には思われなかったのです。
奥さんは取り付き把のない人だといって笑っていました。お嬢さんはまたわざわざその例を挙げて私に説明して聞かせるのです。火鉢に火があるかと尋ねると、Kはないと答えるそうです。では持って来ようというと、要らないと断るそうです。寒くはないかと聞くと、寒いけれども要らないんだといったぎり応対をしないのだそうです。私はただ苦笑している訳にもゆきません。気の毒だから、何とかいってその場を取り繕っておかなければ済まなくなります。