Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
三十三
そのうちお嬢さんの態度がだんだん平気になって来ました。Kと私がいっしょに宅にいる時でも、よくKの室の縁側へ来て彼の名を呼びました。そうしてそこへ入って、ゆっくりしていました。無論郵便を持って来る事もあるし、洗濯物を置いてゆく事もあるのですから、そのくらいの交通は同じ宅にいる二人の関係上、当然と見なければならないのでしょうが、ぜひお嬢さんを専有したいという強烈な一念に動かされている私には、どうしてもそれが当然以上に見えたのです。ある時はお嬢さんがわざわざ私の室へ来るのを回避して、Kの方ばかりへ行くように思われる事さえあったくらいです。それならなぜKに宅を出てもらわないのかとあなたは聞くでしょう。しかしそうすれば私がKを無理に引張って来た主意が立たなくなるだけです。私にはそれができないのです。
三十三
「十一月の寒い雨の降る日の事でした。私は外套を濡らして例の通り蒟蒻閻魔を抜けて細い坂路を上って宅へ帰りました。Kの室は空虚でしたけれども、火鉢には継ぎたての火が暖かそうに燃えていました。私も冷たい手を早く赤い炭の上に翳そうと思って、急いで自分の室の仕切りを開けました。