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Japanische Klassiker mit Furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

彼はやがて自分の傍を顧みて、そこにこごんでいる日本人に、一言二言何かいった。その日本人は砂の上に落ちた手拭を拾い上げているところであったが、それを取り上げるや否や、すぐ頭を包んで、海の方へ歩き出した。その人がすなわち先生であった。

私は単に好奇心のために、並んで浜辺を下りて行く二人の後姿を見守っていた。すると彼らは真直に波の中に足を踏み込んだ。そうして遠浅の磯近くにわいわい騒いでいる多人数の間を通り抜けて、比較的広々した所へ来ると、二人とも泳ぎ出した。彼らの頭が小さく見えるまで沖の方へ向いて行った。それから引き返してまた一直線に浜辺まで戻って来た。掛茶屋へ帰ると、井戸の水も浴びずに、すぐ身体を拭いて着物を着て、さっさとどこへか行ってしまった。

彼らの出て行った後、私はやはり元の床几に腰をおろして烟草を吹かしていた。その時私はぽかんとしながら先生の事を考えた。どうもどこかで見た事のある顔のように思われてならなかった。しかしどうしてもいつどこで会った人か想い出せずにしまった。

その時の私は屈托がないというよりむしろ無聊に苦しんでいた。それで翌日もまた先生に会った時刻を見計らって、わざわざ掛茶屋まで出かけてみた。