Japanische Klassiker mit Furigana
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しじみがし
しじみ河岸
山本 周五郎
Lesen Sie しじみ河岸 (しじみがし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.438 Zeichen · 51 Bildschirme
さしている傘に、雨の音がやや強くなった。律之助はやがて源兵衛店のほうへ戻った。
その日はお絹の父に会い、そのほかに三人の者と話してみた。お絹の父の勝次は寝たきりだし、舌がよくまわらないので、纒まったことはなにも聞けなかった。しかもそばに直次郎がいて、絶えまなしに話しかけ、菓子を出して来て自慢そうに喰べたり、着物を捲って向う脛の古い傷あとをみせたり、四つか五つの子供のように、玩具を持って来て「いっしょに遊ぼう」とせがんだりする。それを飽きずに繰り返すので、律之助はうんざりして立ちあがった。
他の三人との話も、このまえと同じように徒労だった。一人は土屋の人足、一人はぼて振、もう一人は御札売りだったが、ちょっとでも事件に関係のある話になると、みな敏感に口をそらして、そらとぼけた返辞しかしないのであった。
「へえ、さようですか、私はちっとも存じませんな」
「なにしろ稼ぎに追われて、長屋のつきあいなんぞしている暇がねえもんだから、へえ」
「あっしは引越して来たばかりで、そういうことはまるっきりわかりません」
では引越して来たのはいつだと訊くと、「まだ三年にしかならない」