Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

なな、なんと。

しかるに犬などをけしかけるとはなにごと。足下が、どんな手を用いてじたばたするとも、やわか小生を苦しめることはできまい。ゆったりと構えて、青年は壮語するのである。

しかし、張華は少しも騒がない。最初は、しくじったかな、と思ったけれど、どうも態度が腑に落ちぬ。昔から、百年の精は猛犬をもってその正体を看るべし、千年の精は千年の神木を焼いて、その火をもって照すべし、と言い伝えられてある。

よろし、燕の恵王の陵の門の前の神木は、千年あまりの齢をへている。これを伐って、その火で照らしみようと思い当たった。そこで密かに使いを陵へ走らせたのである。

使者が門前へ着くと、そこに青い衣を着た一人の少年が立っていて、その用向きを問うたのである。使者は、事の次第を少年に語って聞かせた。すると、少年は潜然と涙を流し、

老狸無知にして、わが言葉を信せず、ついに禍いわれに及ぶ。遁るべき途なし。

と、泣いて独語したが見る間に、少年は忽焉として消え失せたという。

使いの者は、そんなことにかまわない。鋸でずこずこと、大樹を截り倒したところ、戴り口から血が流れ出た。