Japanische Klassiker mit Furigana
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
Lesen Sie つゆのあとさき von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.725 Zeichen · 148 Bildschirme
あの中に誰かお馴染があるんでしょう。みんな好い身体しているわね。女が見てさえそう思うんだから、男が夢中になるのは当前だわねえ。」
「そんな事があるものか。舞台で見るからいいのさ。差向になったらおはなしにならない。ダンサアやモデルなんていうものは、裸体になるだけが商売なんだから、洒落一つわかりゃアしない。僕はもう君さん以外の女は誰もいやだ。」
「矢さん。そんなに人を馬鹿にするもんじゃなくってよ。」
矢田はまじめらしく何か言おうとした時、女中が障子の外から、「もうお目覚ですか。お風呂がわきました。」
「もう十時だ。」と矢田は枕もとの腕時計を引寄せながら、「おれはちょっと店へ行かなくっちゃならないんだけれど、君さん、今日は晩番か。」
「今日は三時出なのよ。暑くって帰れないから、わたしその時間までここに寐ているわ。あなたもそうなさいよ。」
「うむ。そうしたいんだけれど。」と考えながら、「とにかく湯へはいろう。」
矢田は自分の店へ電話をかけ、どうしても帰らなければならない用事が出来たというので、朝飯も食わず、君江を残して急いで帰って行った。その時はかれこれ十二時近くなっていたが、今だに清岡の様子がわからないので、君江は平素から頼んである表の肴屋に電話をかけ、間貸しのおばさんを呼出して様子をきくと、昨夜お友達の女給さんが見え