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Japanische Klassiker mit Furigana

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

Lesen Sie つゆのあとさき von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.725 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

「僕はどうも飲む方は得意でない。」と年上の記者は芸者に酌をさせながら、「まず箱なしの一方というやつだ。」

「恐入りましたね。売ッ児はそれでなくっちゃいけません。」

「お前、どこかで見たことがあるな。思出せないが。まさかカッフェーでもあるまい。」

「いいえ。そうかも知れませんよ。この頃は芸者が女給さんになったり、女給さんが芸者になったり、全く区別がつきませんからね。」

「芸者から女給になるのはざらだが、カッフェーから芸者になるのは少いだろう。」

「少いこともないわ。随分あってよ。ねえ。姐さん。」

「そうか。随分いるのか。それは驚いた。」

「そうねえ。五、六人……さがしたらもっといるかも知れないことよ。」

「銀座あたりにいた奴はいないか。」

「辰巳家からこの間お弘めした児、なんていったっけ……。」と年増が飲みかけた盃の手を留めて、眉を寄せ、「あの児はたしか銀座にいたんだわね。」

「新橋会館よ。」と若い方の芸者が直に答えた。

「新橋会館に。そうか。いつ時分だろう。」と今まで黙っていた若い記者が急に卓を押し出したので、駒田は女中を見返り、

「その芸者を掛けろ。おい。名前は何ていうんだ。