Japanische Klassiker mit Furigana
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オリンポスのかじつ
オリンポスの果実
田中 英光
Lesen Sie オリンポスの果実 (オリンポスのかじつ) von 田中 英光 (たなかひでみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.277 Zeichen · 147 Bildschirme
関西弁で、坊ちゃんという事じゃないですか、と正直に答えようと思いましたが、また反感を買ってもと思い、「知りません」と些かくすぐつたい返事をすると、横から、東海さんが、大声で、「あれは関西で、白痴のことを言うんだよ」と言えば、沢村さんも、「そうとも、ボンチはつまりポンチと同じことじゃ。阿呆のことをいうんだぞ」と大笑い。と、森さんが、したり顔で、「ああ、それで解った。女の選手達が、大坂のことをボンチとか、ボンボンとか呼んでいるのは、そういう意味か」と、言えば、松山さんも荒々しく、「大坂よ、お前は惚れている女から、いつも馬鹿と呼ばれているんだぞ」と罵り、そこで皆から、ひとしきり嘲笑の雨。
ぼくは、しばしポカンとしていましたが、堪え切れなくなると、「そうですか」と一言。泣きッ面をみられないようにまた暗い甲板に。
靄の深い晩なので、Aデッキから、ボオト・デッキに上がり、誰にも見られず、索具の蔭で悲しもうと、近づいて行くと、向うから、靴音がきこえて来た。
やがて、靄の底から、ぼんやり現われたのは、立派な白髯を生した、紅毛のお爺さんでした。ぼくのしょんぼりした姿をみると、にこにこ笑いながら「How do you do?」と太い声できく。