Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
と、「先生はおいでですか。」と誰やらがいきなり飛び込んで来たものだ。
「明日仮装会をやるんだそうで騒いでいますが、皆さんに御賛成を願います。なんでもこちらに出ていただかないと、どうもなりませんで。二等船客総代という格で伺った訳なんですが、是非どうかひとつ御声援を。ええ。」
「うむおもしろか、やろ。」とY。
「これでいいんですか、この支那服のままで、それならかまいませんよ。」
「やあ、結構です。ではお願いします。どうせまた明日引っ張り出しに来ます。」
「いやあ。」といっているうちに、またポンと飛び出してしまった。
心は安く、気はかろし、
揺れ揺れ、帆綱よ、空高く……
まったく汽船の旅はいいなと思う。ことに夏の海上くらい爽快なものはなかろう。
第一日は室内の整理やら、入浴やら、何かとそわそわとして暮れてしまったし、明るい食堂の晩餐をも虔ましく片隅に寄って済ました。それから一等の談話室を覗いたり、甲板の籐椅子へもたれて見たり、自分の寝台へ帰って仰向いたり、まだ十分の落ちつきは得られなかった。甲板での活動写真の催しも、いたずらに人寄せの技師が不馴れで、ただ急造の白幕に白い円ばかりを出して、そのままコチコチコチコチで中止になってしまった。