Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
豊原よりの消息
このほのかさは、この和御魂のかおりは、また荒御魂の融和は。この神々しさは。この幽けさは。
いい時に参ってよかったと、私は思った。みんなもそう思ったにちがいなかった。
凡てが、安らかな、また物がなしい自分たちの息づかいを聴いた。
だが、これが樺太であろうか。この親しさは、はるばるとした旅情ともちがう。
きょうきょう。
「あ、あれは何です。」
「ほととぎすです。」と烏帽子が空を仰いだ。
空はまだ幻燈のように青かった。
「あ、あの木は。」
「ななかまどと申しています。」
そのななかまどは紅葉しかけていた。
流石に秋の早いのにも驚かれた。
豊原よりの消息
Y君。
この豊原、旧ウラジミロフカの夏はいかにも高原地の初秋らしい風の涼しさを見せている。ここらの丘陵は今が季節の新緑を輝かしている。それだのに早や紅葉しかけた木々もある。
観望の壮大なことは驚く。それに市区の井然たることは、未だかつて内地の都市に見ぬ鮮かさだ。札幌はこれ以上に美しいという話だが、これは帰りの楽しみにして置こう。
旭ヶ岡の樺太神社から瞰下した豊原の夜景はまるで緑野の中の正しい灯の碁盤目であった。