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Japanische Klassiker mit Furigana

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ヨブきこうえん

ヨブ記講演

内村 鑑三

Lesen Sie ヨブ記講演 (ヨブきこうえん) von 内村 鑑三 (うちむらかんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 92.828 Zeichen · 185 Bildschirme

Aozora Bunko

果してしかるか。ヨブは後の繁栄幸福の故を以て、悲痛極まりし過去を全く忘れ得たであろうか。否! と我らは叫ばねばならぬ。誰か子を失いし親にして、新たに子を賜わるも前の悲痛を忘れ得ようか。一人の子を失いて十人の子を新たに賜わるも、その損失と悲哀を忘るることは出来ぬのである。これ誰人においてもしかる所である。ヨブは後の繁栄にありても、必ず過去の災禍苦難を想起したことであろう。去りし妻のこと、失いし子のこと、雇人のこと、その他身の病苦と人の無情、いずれも彼の心に深く食いこんだものであって、到底忘るるを得ない事である。故に彼は新しき幸福に浴せしために、旧き禍を忘れて満足歓喜に入ったのではない。十九章に記さるる「我れ知る我を贖う者は活く、後の日に彼れ必ず地の上に立たん、我この皮この身の朽果てん後われ肉を離れて神を見ん、我れ自ら彼を見奉らん、わが目彼を見んに識らぬ者の如くならじ、わが心これを望みて焦る」との大希望に入りし故、ヨブに満足と歓喜が臨んだのである。これに比すれば物の恵の如きは数うるに足らぬのである。

◯初めのヨブの繁栄と後の繁栄との間に、ある大なる相違があることを我らは認める。