Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Lesen Sie 上杉謙信 (うえすぎけんしん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.102 Zeichen · 256 Bildschirme
――で、甲軍は形のごとく、重厚堅密な布陣をもってし、まずその前列に布いた鉄砲組から、敵の旋回陣へむかって、鉄砲の射撃を開始したのであるが、上杉方から早鉦が鳴り、喊の声が沸くやいな、
「一手切ぞっ。――踏み返すな、うしろは、一歩も!」
大将謙信みずから、こう呼ばわりながら、その馬前に高々と、赤地に龍と書いてある――懸り乱れの旗を、
「かかれっ。かかれっ」
と、大声疾呼の下に、竿も折れよ、旗も裂けよとばかり、打振り打振り、励ましていた。
懸り乱れの龍旗というのは、上杉家のうちで突貫の旗とも呼ばれている決死旗である。この旗の振られたときは、旗の下で、全軍は直ちに、一死のほか何ものも無しの宣誓をしたことになる。たとえいかなる敵の強圧にぶつかろうが、一歩でも怯み、半歩でも退いたときは、ふたたび人中に士として面を出すことはできない――としてあるのが上杉家の家中にある廉恥の精神――恥を恥とする士風のひとつだった。
別辞
死へ向って駆け込む。
いや、死を捉えに飛びこむ。
そういっても、まだ足りない。どういおうといい足りるものではない。
一瞬、どっと、白刃の波が、敵の中へ、捨身に入ってゆくときの相は。