Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
書体は毛筆を使い馴れない現時の青年の筆蹟としては決して拙くないけれども、何処かに商店の番頭の字のような品の悪い達者さがある。最後の二人の署名だけは、梅園の二階で万年筆で記したものだが、これも柿内未亡人の署名の方が不釣合いに字体が大きい。そして何より無気味なのは、署名の下に小さな花弁を押したようにひろがっている茶褐色の斑点であって、同じものが半紙の綴じ目の割り印を捺すべき所にも二つぽたぽたとにじんでいる。それが何であるかは未亡人自らが語るであろう。――)「どうです、お姉さん、この条件でよろしいですか? よろしかったら此処い名ア書いて判おしてくれませんか? それとも何ぞ足らんとこあるお思いになったら、遠慮のういうてみて下さい」いいますよって、「これだけちゃんときめたあったら結構ですけど、そいでも子供生れた場合に、あんたも光ちゃんも家庭が大事やいう気イになりませんやろか。なんとか其処のとこもうちょっと考えて欲しい」いいましたら、「それは第三に規定したある通り、『弟ハタトイ結婚後トイエドモ姉ト光子トノ既ニ確立セラレタル関係ニ対シ何ラ異議ヲ申シ立ツルコトナシ』