Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
、訪ンねて行ってもたやすうは会うてもらえんやろし、会えたところでどないいうていい訳しょう、今更何いうたにしても気持直してもらえへんやろと、いろいろ考えなさった末あの本のこと思い出しなさって、……あれはほんまに光子さんには用のない本で、やっぱり中川の奥様に貸しなさったのんやそうですが、あの時のことは、ふっとそれからヒント得なさったのんで、SK病院の名前騙ってこない電話かけよ、こんな時にはこないしょういう工合に、何日もかかって一所懸命考え抜きなさった。もちろん誰にも相談せんと、自分ひとりであんだけの段取り工夫しなさって、ただ電話かけるのんに女の声やったらいかん思て、お梅どんに訳話して出入りの洗い張り屋の男頼んだ。「あてかてあの時姉ちゃんを取り戻そいう一心で有るだけの智慧絞ってんし。今考えたらあんなえらい騒動して、眼エ吊り上げて見せるやなんて、役者でもないのんにようあんなことしたなあ」いいなさって、そら、あの時のことは確かに私を計略にかけた。欺したいわれても仕方ないけど、それも自分がどんな気持でしたかいうこと直きに分ってもらえるやろ、そしたら私かて可哀そうなとこそ思えきっと憎いとは思えへんやろと、そない考えてたいいなさいますねん。