Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
「そら行ってもかめへん。」主人はそないいいまして「校長さん怒るぜエ」いうて笑てましてん。
明くる日学校に行きますと、きんの一緒に御飯食べたことや映画見に行ったこともういつの間にやら知れ渡ってて「柿内さん、あんたきんの道頓堀歩いてなさったなあ」「お楽しみやなあ」「あれ一体誰やったなあ」なんて、女の人いうたら、も、ほんまにうるさいのんです。そしたら光子さんはまたそれ面白がりなさって、知って傍い寄って来られて、これ見よがしにしなさるのんです。そういうようなあんばいで、そいから二、三日するうちに、えらい仲好うなってしまいました。校長さんはかいって呆れてしまわれたのんか、ただ恐い眼エしてじっと睨んでおられるだけで、もう何ともいいなされしません。光子さんは「なあ、柿内さん、あの観音さんの絵エもっと私に似るように画いて御覧。そしたらどないにいやはるかしらん」いいなさるのんで、前よりももっと似るように直しましてんけど、校長さんはそんなり教室いも来なされしません。わたしたちはええ気イになって「痛快やなあ」いうてましてん。
そないなって来ると、無理に奈良い行く必要もないようになりましたが、ちょうど四月の終りのことで、えらいええお天気の日曜でしたさかい、電話かけて相談して、上六の終点で待ち合いして、お午すぎから若草山の方ぶらぶら