Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
夫も同じように病人臭い青オい顔して、まだ薬の味残ってるみたいに口の中にちゃにちゃさしながら、「こないしてたら、今にほんまに中毒起して死ぬかも分れへん」いうて溜め息つきます。私はそんな様子見ると、さては夫もほんまに飲まされたのんか思て、かいって安心しますねんけど、疑がい出したらそれがまた狂言みたいな気イしますのんで、「なあ、うちら何で毎晩薬飲まされんならんねんやろ?」いうてやりますと、「何でやろなあ?」と、夫は夫で、やっぱり疑がい深そうに人の顔ジロジロ見ますねん。「うちら二人寝さしといたかて心配ないこと知れたあるやないか。何ぞ外に目的あるねんし。」「どんな目的やお前には分ってるのんか?」「うち分れへん、あんたには分ってんねんやろ?」「僕には分らん、お前こそ知ってるのやないか。」「そないお互に疑ごうてたら切りないけど、うちどないしても、自分だけ寝さされてるような気イするねんし。」「そら僕かて同じことや。」「それかて浜寺のこともあるやないか。」「あれがあるさかい、今度は僕の番やないかいう気イするねん。」「あんた光ちゃんの帰る時まで起きてたことないのんか? どうぞほんまのこというて欲し。