Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
と申せばもうおわかりでござりましょうが、ひと重のしごきをわざわざ二重の袋仕立てにしたというのも、じつはその袋の中へてまえからの文を忍ばせて、首尾よく送り届ける仕掛けのためのくふうでござりました。それゆえ、決まってお蘭どのが月々三本ずつ――」
「よし、わかった。そんなにたくさんいるはずはねえのに、決まって三本ずつ新しいのを買うというのが不審だとにらんでいたが、ほしいのはしごきじゃなくて、おまえの口説をこめた文が目あてだったというのかい」
「さようでござります。この月の十一日にも新規の品が三十六本仕上がりましたゆえ、そのうちの一本にいつものとおりこっそりとてまえの文を忍ばせておきまして、あすにも加賀様から沙汰のありしだい届けようと待ちあぐんでおりましたところ、運の尽きというものに相違ござりませぬ。でき上がったちょうどその日、所用がありまして、ついてまえが店をあけたるす中に、仕上がるのを待ちかまえておりましたものか、ばたばたと十一人ほどのお客さまがあとから買いに参られまして、店の者がまた秘密の文を仕込んだ一本がその中に交じっているとも知らず、どこのどなたか住まいもお名まえもわからぬお客さまがたに売りさばいてしもうたのでござります。