Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
ならば浪華をもじって波の花の塩が五合、長崎ならば長く先までつづくというところからひもが一本、名古屋ならば金のしゃちにまねて、おもちゃの瀬戸焼きのしゃちが二個といったような景品のつく遊びなのです。もちろん、なかなかその穴に玉がはいらないので、一個ころがすのが一文というような零細な金高でもけっこう商売になる遊びですが、名人がまたひどくおもしろそうに、ころがしてはころがし、しきりに繰り返していたものでしたから、
「ちぇッ」
あやうく鳴らそうとしたのを、目顔でしかりながら繰り返すこと四半刻。――しかし、その目は絶えず鋭く動いているのです。何を捜そうというのか、だれを待っているのか、玉をころがしながら、ちょいちょいと奥をのぞき、ころがしながらまたちょいちょいと集まったり帰ったりするお客を鋭くながめて、かくすることさらに四半刻――。
と――、そのとき、唐棧の上下に藤倉ぞうりをつっかけた、一見遊び人ふうと思えるふたりが、弥造をこしらえながら、さっさと玉ころがし屋の奥へ消えると、ほどなくあわてふためきつつ、また姿を見せて、うろたえ顔にささやいた声が、はしなくも名人の耳にはいりました。