Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「なんだと! 雨が降ってお客がしみったれになるが聞いてあきれらあ。雨は雨、お客はお客。槍が降ろうと、小判が降ろうと、人殺しのあるときゃあるんだ。だんな! だんな! ご出馬だッ。穏やかじゃねえことになりやがったんですぜ」

他人のこともいっしょにして口やかましくわめきながら、声から先に飛び込んできたのは、断わるまでもないおしゃべり屋のあの伝六です。

「おつに気どって雨なんぞ見ていたとても、りこうにゃならねえんだ。今、麻布の自身番から急訴があったんだがね。あそこの北条坂で、孫太郎虫の売り子の娘っ子が、首を絞められて殺されているというんですよ。早耳一番やりのおきてがあるからにゃ、この事件は早く聞きつけたあっしとだんなのものなんだからね。急いでおしたくしなせえよ」

口やかましく注進しているのを、早くも隣の吟味席で聞きつけながら、ぴかりと陰険そうに目を光らしたのはあばたの敬四郎でした。同時に立ち上がると、お白州中の歯入れ屋などはもう置き去りにしておいて、にこりと意地わるそうにほくそえみながら、こそこそ奥へ消えていったかとみえたが、あば敬はなすことすることことごとくがあばた流です。