Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
やにわににやりと笑って、大きな横帳をさし出しながら、何もかも心得ているもののようにいったものです。
「お尋ねはこれでござりましょう。いまかいまかと、お越しになるのをお待ちしていたところでござります」
「なに! その横帳はなんだ」
「身内の売り子の人別帳でござります。麻布で害められたとか申しましたなつの身もとをお詮議にお越しであろうと存じますゆえ、お目にかけたのでござります」
「気味のわるいことを申すやつじゃな、どうしてそれがあいわかるか!」
「えへへ。あっしがそれとにらみをつけたんじゃござんせぬ。つい先ほど右門のだんなさまがのっそりとおみえになりまして、この人別帳をおしらべなすった末に、あとからいまひとりこれに用のある同役が参るはずじゃ、親切に応対してあげい、とのことでござりましたゆえ、いまかいまかとお待ち申していたのでござります」
せつなに、敬四郎のあばたがゆがんで、ふるえて、目に険しい色がみなぎり渡りました。
来ていたのである! まんまと先手を打ったつもりでいたのに、どうしてそれと眼をつけたか、あざやかにも名人右門が、すでにもう先手を打って、ちゃんとここへ身もとを洗いに来ていたのである。