Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

伝六、小梅まで早舟の用意だッ。早く仕立てろッ」

「ちくしょうめ。さあおいでだぞ。金に糸目はつけねえんだ。船頭、急げ、急げ」

水かさを増した大川をひと下り。舟は名人、伝六、七造の三人を乗せて矢のような早さです。

水戸家のお下屋敷かどから堀川を左に曲がって、瓦町から陸へ上がると小梅横町、お賄い方組屋敷までへは二町足らずの近さでした。

「あの二つめのお長屋がそうですよ」

「よしッ。では、七造、玄関先へいって呼びたてろ。口止め金を百両くださらば一生口をつぐみます。くださらなければ、今すぐお番所へ駆け込み訴訟をいたしますぞと、大声で呼んで逃げ帰ってこい! 追っかけてこの屋敷をひと足外へ出りゃ草香流だ」

「心得ました」

飛び込んでいくと、あたりはばからず七造がわめきたてました。

「魚心がありゃ水心だ。百両出すか、出さねえか。出さなきゃ三尺たけえ木の空へ、うぬらの首もいっしょに抱きあげてやるぞッ」

「なにッ。バカな! 七か! 何をたわごと申すんじゃ。まてッ、まてッ」

策は当たったのです。

声とともに、たびはだしのままで、しわのきざんだ顔に怒りとろうばいの色を散らしながら、あと追いかけて飛び出してきたのは、だれでもない宗左衛門でした。