Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、気になるのはお嬢さまの婚期でござりまするが、お約束のお輿入れはいつごろのご予定なのでござります」

「十八の年の五月五日が来たら、という約定でおじゃりますゆえ、もう目前に迫っているのでおじゃります」

「なるほど、なかなかゆかしいお約束でござりまするな。女夫雛を片雛ずつ分けて持って、女の節句に祭りかわし、五月五日の男の節句に、雛と人と二組みの女夫をめでたくこしらえ納めようというのでござりまするな。いや、いろいろと事の子細、納得が参りました。では、念のためでござりますゆえ、春菜様とやらおっしゃったそのお嬢さまにも、ちょっとお会わせさせていただきましょうかな」

「は、よろしゅうおじゃります、と申しあげたいのでござりまするが、それが、じつは……」

「いかがあそばされたのでござります」

「どうしたことやら、騒ぎが起きるといっしょに、どこかへ姿が消えたように、見えなくなったのでおじゃります」

「えッ――」

名人はおもわず声を放ちました。名宝なればこそ、まず十中八、九ただの盗難であろうと言いきったばかりのときに、意外や突如として、新しい疑問と新しい不審がわき上がったからです。